もっと知りたい!ゴムのこと
ゴムを製造するのに必要な「金型」について
最近は中国製の金型もレベルが上がってきたというお客さまも多くいます。ただ、作り手側から言わせて頂くと、やはり国産の金型は良いです。
何が良いかというと、その金型を使用して作業をするときの作業性がバツグンなのです。また、成形後の工程にも金型の出来栄えは非常に影響していてトータルの歩留まりが中国製と日本製ではぜんぜん違うのです。
モノ作りに従事されている方々はこんなこと百も承知でしょうが、なかには価格を重視するあまり、あとで後悔する方もいらっしゃいます。
中国製の金型(金型だけではないですよね)はたしかに安いです。極端な話、日本製の1/3というときもあります。だけどある程度の量産になると、最初のイニシャルコストが少々違っても生産性などで必ずペイできます。
これは金型の話ではありませんがゴムメーカーであった話で、中国のローカルメーカーに仕事を依頼していたら、知らない間にゴムの種類を安いものに変えられていた、という話を聞いたことがあります。こんなこと日本のメーカーでは絶対にありえません。
もちろん、コスト競争力は非常に重要です。日本のメーカーはもっとコスト意識を徹底させなければいけません。ただ、中国のコストの安さには、その裏に「ずるさ」を感じてしまうのも事実です。
やはり物を作る上では国産ならではの良い部分が私は捨てられないと思います。
ゴム製品のお問合せで一番多いのがゴムという特殊な素材についてです。
A様「こういう環境で使用するのにはどの材質が良いのだろう?」
B様「FKMを検討しているのだが○○に関してのデータはないのだろうか?」
C様「薬品をシールしたいのだがどの材質を選定すれば良いのだろう?」
今、弊社にはこういったお問合せを非常に多く頂きます。如何にきちんと対応できるメーカーが少ないかということだと思っています。
使用する環境をきちんと整理して、それに最適な(コストも含めて)材質をご提案することが弊社の仕事だと考えています。それにはゴムという特殊な素材をどれだけ理解して、その知識をうまくニーズに繋げれるかというところだと思います。
僕自身、今までも知識の習得(もちろん現場での知識も)に貪欲であったと思いますがこれからもっと貪欲にならなければいけないと思います。
あなたの会社で使用されているゴム製品、本当に最適な材質をチョイスされているのでしょうか?経営環境が悪化している今こそ見直しには最適な時期かと思います。
サブプライムを発端とした景気悪化によって毎日のように「減産」とか「雇用調整」とか悪いニュースが飛び交っています。
こう毎日悪いニュースばかりだと気分も滅入るのですが、企業としてはこういう時こそ地力を付けるチャンスと捕らえるべきだと思います。
わが社も今年の初めごろから生産性のアップを中心に社内改革を進めています。「改善活動」は実に地道な作業で瞬間的に生産性を上げるのではなく、恒久的に上げなければなりません。ゴム製造は人間が携わる部分が多く生産性アップには人間のファジーな部分も考慮したものでなければ品質的にも生産的にも安定した製品を供給することはできません。
景気の波は6年~8年周期だといわれています。また、不況は3年以上続かないとも言われています。苦しいときに基本をしっかり充実させたいと思います。ちなみに好況時の60%~80%の価格提示ができれば不況時にも仕事は集まるそうです。経費削減も重要ですがやはり生産性を如何にあげるかが企業の実力となるのではないでしょうか。
お客様から「図面がない製品を製作できないか」というお問合せがあります。弊社では図面など寸法基準のはっきりしないゴム製品を図面作成から承ります。
複雑な形状でもなんとか図面を起こして製品にします。しかし中には使用後のゴム製品しか手元にない場合もあって、そういう場合の採寸は結構時間を要します。使用後のものはゴムが膨潤していたり、大きな亀裂があったりと元の形が非常に分かりづらくなってしまいます。そういう状況でも出来るだけ元の形状に近づけるように根気良く作業をします。
図面がない、寸法がまったく分からない、使用済みの製品しか手元にない、などお困りがありましたらお気軽のご相談頂ければ幸いです。
シールをしたいときにゴムパッキンの硬度(ゴムの硬さ)は意外と重要となります。
ところがこの硬度が一般の方には伝わりにくいようで、例えば「硬度40Hs(ハードネス)の硬さはどれくらいのイメージですか?」というご質問が電話やメールでお伝えすることがなかなか難しいのです。
ゴムには実に様々な硬度が存在することをあまり知られておりません。例えば、ホームセンターなどでよく見かけるゴム板。これは大体70Hs前後の硬度です。(扱っている商品によっては違う場合もあります)
また、ちょっと前に流行った地震対策用などに使われているゲル。これはゴムではないのですが硬度計で計測すると大体1Hs~5Hsくらいの硬度です。非常に軟らかいのですが実は同じような硬さのゴムが存在します。しかもゲルよりも安価に造れたりします。
上記のように材質にもよりますがゴム硬度は大体5Hsから98Hs位まで幅広く存在するのですが一般的にイメージされているゴム硬度は大体50Hs~80Hsくらいと考えられます。しかし、ゴムにはもっと軟らかいものもあれば、逆に硬質プラスチックのような硬いものもあるのです。
また、ゴムの最大の特性として、引っ張ったり、縮めたりしても元に戻る「復元性」が強いことです。ゲルや硬質プラにはこのような特性はあまりありませんので、硬質プラの硬さとゴムの復元性の両方を要求されるようなところや、ゲルのように軟らかくゴムの復元性が要求されるところには重宝されています。
サブプライムに端を発した景気後退が日本経済を直撃しています。
特に自動車業界にはその影響が大きく、これまでの30%以上の減産が今後3年は続くだろう、と言われています。
僕はこんなときこそ新規事業や商品開発が大事ではないかと考えています。もちろん目の前の収益が成り立たなければそちらをきちんとしてからの話ですがこういう苦しいときに何をしたかで次の景気の波に乗れるかどうかが決まると思うのです。
景気の波は6年から8年の周期で好不況を繰り返すそうです。今回の不況も前回の不況(ITバブル崩壊)から7、8年経っていますのでそのことから考えると納得できます。また、これまで3年以上続いた不況はない、というのも事実です。
このことからも、今は次の好景気に向けて力を蓄える時期だと思うのです。年明けには更なる減産もあることでしょう。しかし製造メーカーとして、ここで安易に人員整理などに走ってはいけないと思います。今までは忙しくて出来なかったこと(例えば社員教育など)を愚直に徹底的に進めていきましょう。
それによって会社に競争力がつくのだと思っています。
食品製造ラインに使用されているパッキン。
りんごジュースを流した後に、オレンジジュースを流すと前に流したりんごの臭いがオレンジに移ってしまう、という問題があります。
ゴム商社などに聞いていくと、たいがいパーフルオロエラストマー
(FFKM、略してパーフロ)を薦められます。
このパーフロ、たしかに着香性は低いのですが価格がもの凄く高い。原材料価格で100万円/Kgと言われていてパッキンやOリングが1個で何万円もします(!)
こまったお客様が弊社にお問合せ頂いたときにお勧めするのが低着香性フッ素(アフラスR)です。
この材料、低着香性はパーフロと同等の実力を持ちながら価格は何分の1で済むのです。
一口にフッ素ゴムといっても様々な種類があり、もともと高価な材質なだけにできるだけ専門家に聞くことをお勧めします。
私はコーヒーが好きで○○○バックスなどのカフェもよく行きます。
そこで最近よくみかけるのが、マイタンブラーを持ち込んでいる人達。
スーパーなどでもレジ袋を貰わずエコバックを持参するようにコーヒーも
マイタンブラーを持参してこれにコーヒーを入れてもらうんだそうです。
(恥ずかしながら最近まで私は知りませんでした)
新しい物好きの私もマイタンブラーを買ってみようかと思い手にとって
見ていると、フタの裏側にパッキンが入っていました。
これがまた、ひどいパッキンが使ってあり、ただ付いているだけ、と
いっても過言ではないものでした。中にコーヒーなどの飲料をいれても
これでは簡単に漏れてしまうでしょう。
タンブラーの価格もそんなに安いものではないのに・・・。
もちろん全てのタンブラーを確認したわけではないので一概には
言えませんが、特に、中国や東南アジアで製造されたものは
この傾向があるようです。
このようなタンブラーを中国や東南アジアから仕入れていらっしゃる
業者様などいらっしゃれば一度、フタの裏側に付いているパッキンを
ご確認ください。もし、ご心配であれば弊社までご相談くだされば
対応ができると思います。
今回はNBRという素材について解説させて頂きます。
NBR(アクリロ二トリル・ブタジエンゴム)は優れた耐油性を持ち
主に自動車向けパッキン・Oリングなどに使用されています。
そのほかに耐ガソリン性、耐ガス透過性、などにも優れOリングといえば
NBRといっても過言ではないほど浸透しています。
また、NBRはその優れた耐油性をベースに様々な特性を持たせた
ものがポリマーメーカーで開発されている(通常、ゴムの配合は
部品生産メーカーで行うことが多い)のも特徴で例えば水素添加NBRや
NBR+PVC(塩ビ)、EPDMなどとブレンドしたりとその用途に合わせて
いろいろと開発されています。
自動車関連、油空圧関連、機械設備関連、などに使用されています。
次回はシリコンゴムの予定です。
-|2008/08/19 Tue
今回から色々なゴムの素材について書いていきたいと思います。
まず最初にEPDMという素材の一般的な性能についてお話します。
EPDM(エチレンプロピレンゴム)ここ20年ほどで急速に成長してきた
素材です。特に自動車関連を中心にタイヤを省いたゴム部品の約半分が
このEPDMと言われています。
EPDMの特徴は、耐オゾン性、電気絶縁性、耐寒性、耐熱性などに優れ
機械的特性もなかなかでバランスが良いゴム素材です。
もちろん、配合を調整すればどれかの特性に特化したり
何種類かの特性をバランス良くすることも可能です。
広く一般的に使用されているためゴムに携わったことのある方でしたら
一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
弊社でも、自動車関連、電子・電機関連、住宅設備関連など
ほとんどの業界で使用しています。
シールとしてはアウトガスが少なく(硫黄加硫は×。po加硫は○)
反発性もそこそこあり、素材自体が安価なため急速に伸びています。
また、水道水に含まれる塩素に対応した、耐塩素水性のEPDMも
開発されその分野でも非常に伸びています。
ちなみに弊社のEPDM使用量は全体の40%となっており新規案件も
EPDMが最も多くなっています。
次回はNBRを予定しています。
-|2008/07/31 Thu
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