もっと知りたい!ゴムのこと ゴムパッキン
皆さまは磨耗性に強いゴムをご存知でしょうか?頻繁に金属部等と擦れたりする箇所にゴムが使われるとゴムの表面が削れてしまいます。
通常のゴムは多少の磨耗性も供えていますが、もっと磨耗性を良くしたい場合に耐摩耗性ゴムを使います。耐摩耗性ゴムにはいくつかあってその環境によって選定するのは他のゴムと同じです。
・コピー機や券売機などのローラー
・生産ラインのクッションやローラー
・特殊用途のタイヤ(キャスター)
そのほかにもいろいろと用途はあるかと思いますが上記は耐摩耗性ゴムに変更してゴムの耐久性が飛躍的に向上したものです。
磨耗性のゴムをお探しの方は是非お問い合わせくださいませ。
皆さんはゴム製品の硬さ(硬度)はどのようにして決めますか?手元にサンプルになるものがあれば良いのですがサンプルになりそうなものが無いときは何を基準に硬さを決めればよいのでしょうか?
ゴム硬度の規格は実は数種類あり、あまり分かりやすくありませんがここでは単位として「HS」を使用します。
まず一番一般的なゴム硬度は「70HS」です。この硬度は規格品Oリングに最も多い硬度です。イメージとしては「自動車のタイヤ、ホームセンターで売っているパッキン類」と同等の硬さとなります。
次は硬度「50HS」。少し柔らかめの硬度となります。イメージは「消しゴム」と同等の硬さです。この硬さも割と多くイメージはし易いのではないかと思います。
硬度「30HS」は難しいですがイメージは「マウスパッド(柔らかい)」でしょうか。一般的に使われているゴム硬度で一番柔らかいゴムといえばこの30HSとなるのですが実はもっと柔らかいゴムが存在するのです。。。
硬度「10HS以下」。ほとんどゲルのような硬さです。イメージはずばり「ゲル」。ハンドリングが大変なくらいの硬さでゴムでこの硬さが出来るとご存知の方は少ないでしょう。
逆に硬いほうでは硬度「90HS以上」はどうでしょうか?イメージとしては「硬質プラスチック」でしょうか。硬度90HS以上になると『これがゴム!?』と思うくらいにカチカチです。それでもゴムの特性である弾力性を保持しており強度もかなりあります。
ゴムの硬さをどうしようと思ったときには専門のゴム業者にお問い合わせください。最適なゴム硬度をご提案していただけると思います。
前回の続きです。
現在マスキングのゴム治具を使っている方も、下記のようなお悩みはないでしょうか?
・形状や寸法を少し変えたいのだがどのように変えたら良いのだろうか?
・形状案や寸法案はあるのだが同時にコストダウンは出来ないだろうか?
・材質を変更してでももっと耐久性を持たせたい
現在マスキングゴムをお使いの方は既存でゴム業者とお取引されていると思います。まずはそちらでお聞きすることが良いのですが、もし色よい返事が無かった場合には別の業者を探さなければなりません。
弊社にもそういったご相談が多数あり、ご相談内容をお聞きして色々とご提案させて頂いております。現行品を立ち上げる際にかなりご苦労されたことと思いますが時代の進化もあって現在はもっと良い方法があるかもしれません。
特にマスキングゴムは価格と耐久性のバランスが重要です。耐久性は材質と形状、寸法のそれぞれでどこをどの項目で抑えるのかがポイントとなります。弊社にご相談頂ければ徹底的にヒアリングをさせて頂き良いご提案をさせていただきますので是非一度ご検討ください。
御社ではメッキ工程や塗装工程のマスキングをどのようにしていますか?1個1個マスキングテープを貼っている?樹脂で治具を作って対応してる?
メッキ加工や塗装工程ではマスキングのゴム治具を使います。ゴムの特性である伸縮・弾力性、耐熱・耐溶剤性がマスキング治具に最適なのです。ゴム治具がメッキや塗装の出来栄えを左右することもあります。
ゴムの伸縮・弾力性によってしっかりとマスキングをしたい部分をカバーし、またはめ込み性も抜群で作業工数の削減にも役立ちます。ゴムの耐熱・耐溶剤性によって高温化の特殊溶剤にも耐久性を確保しながら対応できます。
弊社ではマスキングしたい部分や相手側の形状、メッキや塗装の種類などでどのようなゴム材質がよいかを選定し、また形状や寸法もどのようにしたら効果的にマスキングできるのかをご提案致します。
ゴムの材質を最適化することで耐久性や工数削減が可能となり、形状や寸法を最適化することでクオリティがアップします。ただ、マスキングが必要なお客様はゴム業界をあまりご存知ないかたが少なくありません。マスキングにご苦労されている方は一度検討をしてみてはいかがでしょうか?
昨日もご紹介した押出成形品ですが、今日はどのような材質が出来るのかをご紹介しましょう。
1.シリコンゴム(ソリッド・スポンジ)
まずはシリコンゴムです。押出品としては一番一般的なのではないでしょうか。ソリッドと呼ばれる通常のゴムで押出した製品とスポンジ(単発泡、連発泡)とがあります。また、色彩も調整しやすい材質なのでカラフルなものが必用であればシリコンゴムがぴったりです。このほか、難燃性シリコン、高引裂きシリコン、耐熱シリコン(230℃)などが可能です。
2.合成ゴム(ソリッド・スポンジ)
合成ゴムは、EPDM、CR、NR、ブチルゴムなどなどいろいろありますがこれにもソリッド品とスポンジ品があります。自動車関連、電子機器関連、建設関連など幅広く使用されています。
3.ふっ素ゴム(ソリッド)
弊社のお勧めがこれです。ふっ素ゴムの押出し品を取り扱っているところは少なく、またコスト的に高価なところが多いのですが弊社は独自の提携でコスト的にも安価なご提案が可能です。例えばシリコン押出し品を温度環境250℃で使用していてパッキンの持ちが良くない場合、ふっ素ゴムであれば飛躍的に耐久性が向上します。パッキンの価格はシリコンよりも高くなりますが耐久性が向上することによってトータルコストを抑えることが可能です。また耐薬品性を必用とするところに使用する扉パッキンにはふっ素ゴムが最適です。他の素材では対応できない薬品・溶剤までふっ素ゴムは対応可能としています。
窓枠パッキンや扉パッキンなど押出し成形品が活躍する場所はいろいろとあります。ただ、材質が適正に選定されているかというと疑問を感じることがあります。押出し成形が出来るメーカーは非常に少なく、メーカーによってできる材質が限られているのも影響しているのかもしれません。こんな材質で押出し品ができないかなぁ?というお問い合わせお待ちしております。
食品機器の扉パッキンや各種設備の窓枠パッキンなどは押出成形でチューブ状に成形したものをその枠形状に形を合わせてつなぎ箇所を接着し製作します。
材質的にもEPDM,NBR,NR,CR,SBR,ブチル、シリコン、ふっ素、シリコンスポンジなどなど様々なものが出来ます。また色彩も色々と出来ます。
例えば現行シリコンゴムを使用していて耐熱性をもっと上げたい場合にはふっ素ゴムで同形状を製作してみてはいかがでしょうか?逆に現行シリコンゴムで耐熱性はそこまで必要ないのでコスト的にもうちょっと何とかしたい場合はEPDMで渡来してみてはいかがでしょうか?
押出成形品は小ロットの場合に非常に高価になってしまうことがありますが弊社では他社と比較して非常に安価に試作トライも行えます。なかなか思うようにいかないこと(材質変更や試作費用などなど)もシールパッキン.COMにお問い合わせください。
シリコンゴム(本来はシリコーンゴムと言います)には実に様々な種類があります。例えば、耐電気特性シリコンや食品衛生適合シリコン、高強度シリコンや耐スチームシリコンなどなど。。。
シリコンゴムは耐熱性が優秀(200℃)で、また耐寒性(-50℃)も良く、耐水性、圧縮復元力にも優れています。一方で機械的強度(裂けやすい)や耐摩耗性に弱く、熱水で加水分解しやすい、薬品やオイルは使用用途が限定的などの弱点もあります。このシリコンの弱点を補ったバリエーションが多数展開されているのです。
ですから色々と調べて『シリコンゴムは機械的強度が弱いから別の素材を選定しなければならない』と思われているお客様も案外、シリコンゴムで対応できてしまうことがあるのです。
シリコンゴムは様々なメーカーから様々な種類が出ていますので信頼のおける業者に問い合わせて確認することをお勧めします。
耐熱性のゴムパッキンと一言でいっても様々な材質があります。耐熱性だけで良いとおっしゃられる場合は使用環境温度で材質を選べば良いのですが、その他で、耐油性や耐溶剤性、耐塩素水性や耐オゾン性などなど、使用環境に複数の要件がある場合はその要件に合わせた材質選定が必要となります。
まず、耐熱レベル別の材質は下記になります。
(温度は限界温度で表記します)
300℃ ⇒ パーフルオロエラストマー(パーフロ、カルレッツ)
250℃ ⇒ ふっ素ゴム
200℃ ⇒ シリコンゴム
160℃ ⇒ アクリルゴム
140℃ ⇒ H-NBR、EPDM、ブチルゴム
120℃ ⇒ NBR
100℃ ⇒ CR、ウレタンゴム
80℃ ⇒ 天然ゴム
※ この一覧はあくまで目安です。ご使用の際にはお客様にてご確認ください。
ゴムの耐熱性だけですと割と分かりやすい選定が出来るのですが、その他要件が複数となると、とたんに難しくなります。
耐熱性+耐油性
CR(耐熱100℃)、NBR(耐熱120℃)、H-NBR(耐熱140℃)、アクリルゴム(耐熱160℃)、ふっ素ゴム(耐熱250℃)
耐熱性+耐溶剤性
H-NBR(耐熱140℃)、EPDM(耐熱140℃)、ブチルゴム(耐熱140℃)、ふっ素ゴム(耐熱250℃)
※耐溶剤性はその溶剤によって選定材質が全く変わりますのでご相談ください。
耐熱性+耐塩素水性
EPDM(耐熱140℃)、シリコンゴム(耐熱200℃)、ふっ素ゴム(耐熱250℃)
※耐塩素水性は塩素濃度によって配合を変更しますのでご相談ください。また、近年ではシリコンゴムは熱水で加水分解し易いことから塩素水の耐性はあっても使用することは少なくなっています。
耐熱性+耐オゾン性
CR(耐熱100℃)、EPDM(耐熱140℃)、ブチルゴム(耐熱140℃)、シリコンゴム(耐熱200℃)、ふっ素ゴム(250℃)
※ 上記はあくまで目安です。ご使用の際には必ずお客様にてご確認くださいませ。
組み合わせる要件で材質選定は非常に難解なものとなります。当たり前の話ですが、要件が3つ、4つと増えれば増えるほど選定の巾が狭く難しくなりますので、信頼の置ける業者選定も大事になってきます。
ゴム製品は単体で最終製品になることはほとんどありません。大体が樹脂や金属などと組み合わせて商品となります。ゴムを組み付ける際にはめ込みし辛い形状の場合、組み付け工程が非常に厄介なものとなります。
実は組み付け工程を楽にするゴム材料があります。それは『オイルブリード』と呼ばれています。文字通り、ゴム自体からオイルが少しずつにじみ出てくる材料です。そのにじみ出るオイルの潤滑性を利用して組み付け性を向上させるのです。
以前に同じ材質でオイルブリード無し、と、オイルブリード有りでコネクターの組み付け性比較をやったことがありましたが、びっくりするくらい組み付け性が向上しました。ブリードなしのほうは数個組み付けると指が痛くなり、時間が掛かる割には正確性の担保も難しいのに対して、ブリードありでは何個組みつけても指が痛くならず、時間も2/3、正確性も担保し易いものでした。
この『オイルブリード』は材質も色々選べるので組み付けに苦慮されているお客様は是非、検討してみてください。
衝撃吸収や防振目的でGEL(ゲル)を使用することがあります。ゲルの特徴は非常に柔らかく、衝撃吸収性に優れるところです。ゲルシートの上に高いところから生たまごを落としても割れない、なんて有名なエピソードもあります。
ただ、耐久性があまり優れていないのと価格が高いのがネックです。
そこでゴム素材を極限まで柔らかくしてゲルの代替をしている材質があります。ゴム硬度でいうと5HS、10HSのものです。耐久性や価格はゲルと比較して非常に優れており、主に精密機器の生産ラインや、HDD関連機器に使用されています。
また、現在はシリコンベースのものだけですが、EPDMやブチルでもこういった軟硬度のものを開発中です。ゲルもそうですがシリコンは低分子シロキサンが発生しやすく、電子機器には使用用途が制限されてしまいます。また、耐薬品性も劣りますのでそちら方面も使用は限定的になってしまいます。軟硬度ゴムは素材としてはまだ発展段階ですので、今後さらに性能面、コスト面で良くなる可能性が大です。
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